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第四十四話 魔導剣士ロイ、かつてない危機感を覚える

last update Date de publication: 2026-07-22 21:54:04

 大きく迂回して、隠し通路の蓋から内部を覗く。人の気配はないので、小声で「OKだ」と告げる。

 一同、内部への潜入に成功するが、ここからが正念場だ。自分たちの脱出口になる可能性があるので、隠し通路はまだ閉鎖しないでおく。ナンシアの言っていた、不気味な詠唱が聞こえてくる。

 まずは、サンに扉の向こうへ聞き耳を立ててもらう。OKサインが出たのでそっと開けると、通路が伸びており、右側に曲がっている。

 ちなみに、パティの重装備は非常に目立つうえに、ガチャガチャうるさいので俺の無限収納ポーチに入れさせてもらっている。肝心の防御力がまったく期待できないが、致し方ない。不幸中の幸いと考えるべきか、フード付きローブのおかげで彼女の羞恥心は抑えられているのが救いか。フランの聖印盾も、同様に収納中。

 サンを先頭に、忍び足で前進していき、曲り角に差し掛かると、義妹いもうとが小さな手鏡で、角の先の様子をうかがう。しばししてGOサイン。あっけなく、大部屋と思われる場所の扉の前にたどり着けてしまった。

 ううむ、なんだか用心した割には、拍子抜けだな。いや、用心したからこそ、拍子抜けできる結果になったの
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     早朝、依頼票を見に行く。ベル嬢の依頼があるが、ついでにこなせるものがあるなら、こなしておきたい。 ……? 麻薬密売組織の壊滅? 穏やかじゃないな。依頼人は官憲。おいおい、冒険者に頼るとか大丈夫か?「うっへ」 変な声を出すサン。「盗賊ギルドのシノギっすよ、これ。ルンドンベアにも多少出回ってるらしいっすけどね」「この依頼、受けたいのか?」「むしろ、関わり合いになりたくないっすね。命がいくらあっても足りないっす」 何かと前向きなサンが、この様子とは。かなり、アンタッチャブルな案件のようだな。 とりあえず、これは置いといて……。むむ? 巨大鹿狩りとな?「これ、どうだろう?」 農作物に、かなり被害が出ているらしい。「いいのではないでしょうか」 フランがまず快諾。アンデッド退治が混入してなくてよかった。 ほかの皆も、異存なさそうだ。  ◆ ◆ ◆  依頼人から正式に依頼を受け、森の中を、慎重に風下になるように進む。枯れ枝なども、踏まないように注意。皆には、飛び道具を配ってある。 聞くところによると、身の丈四メートルとか。厄介だなあ。 先行していたサンが、静止の合図を出す。……いた! たしかにでけえ! さらに慎重にスニーキングして、射程距離まで近づく。 一斉射! 命中! 的、でかいもんな! 雄叫びを上げる鹿。逃げ出すので、強重結縛糸をお見舞いする。自重で、動けなくなるはずだ!「いくぞ!」 クコから超力賦活草をもらい、接近戦に突入! 鹿も、角や蹄で応戦してくる!「包囲するぞ!」 五方向から取り囲む! ちなみに賦術火炎刃を使わないのは、肉が売れるのでは? と思ったからだ。依頼人いわく、いい果物をたらふく食ってるらしいしな! ナンシアの拳! サンのダガー! パティのショートソード! フランのモーニングスター! そして、俺の魔剣が五方向から襲いかかる!「角と後ろ足に気をつけろよ!」 これだけのデカブツの攻撃、食らったらえらいことだ!「盾を! ボクが囮になります!」「信じるぞ!」 ベルトポーチから盾を渡すと、鹿の攻撃をガッツリ受け止める。さすが、ハムロータ兄貴のチョップを受け止めただけはあるな! くそ! 脚の腱を切りたいが、めちゃくちゃに暴れ

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